CKD(慢性腎臓病)とは?
「慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)」とは、さまざまな原因によって腎臓のはたらきが徐々に低下していく状態のことをいいます。
日本のCKD患者さんは約1,330万人※で、成人のおよそ8人に1人が発症していると推定されており、現在は国民病の1つと考えられています。
- ※出典:「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」(日本腎臓学会編)
糸球体とは?
腎臓には「糸球体」と呼ばれる細い血管の塊がたくさん存在し、からだに不要な老廃物をろ過して排泄するフィルターの役割をしています。
CKDの定義
- ① 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らかな状態(特にたんぱく尿の存在が重要)。
- ② 腎臓のはたらきの指標となるGFR(糸球体ろ過量)が、「60mL/分/1.73m2」未満である。
①、②のいずれか、または両方が3ヵ月以上持続する状態をいいます。
- 出典:「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」(日本腎臓学会編)
CKDの原因とは
もともとの腎臓の病気に加えて、遺伝的要因や、個人の生活習慣が大きく関与している「生活習慣病」や、過食・運動不足によって内臓に脂肪が蓄積し、高血圧・高血糖・脂質代謝異常が起こる「メタボリックシンドローム」が、CKDの発症に深く関わっていると考えられています。
CKDのリスク ①合併症
CKDは心血管の病気にも関連しており、心筋梗塞や脳卒中を発症する危険性が高くなります。また、さまざまな合併症にもつながりやすくなるため、定期的な検査で早期発見することが重要です。
CKDのリスク ②症状の進行
CKDの初期は自覚症状があらわれにくいため気付きにくく、治療を行わないままでいると病気が進行する可能性があります。CKDと診断されたら、腎臓の状態(ステージ)に合わせた治療が必要です。
人工透析療法と腎移植
CKDのステージ5では、腎臓がほとんどはたらいていない状態のため、人工透析療法や腎移植などの腎代替療法が必要になります。患者さんの年齢や生活環境などに合わせて、医師と相談しながら治療方法を選択します。
人工透析療法
腎臓に代わって人工的に血液から老廃物を取り除く治療方法です。
大きく分けて「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があります。
腎移植
腎臓を移植することで腎臓が担う機能を回復させる治療方法です。 生きている方から腎臓を提供してもらう「生体腎移植」と、脳死や心停止などで亡くなった方から腎臓の提供を受ける「献腎移植」があります。