CKDを悪化させない
ためには?

CKDは、本人も気が付かないうちに病気が進行してしまい、よほど腎臓の機能が低下しない限り、自覚症状は現れません。
水面下で進むCKDを悪化させないためには、日々の腎臓への負担を減らすのがポイント。食生活の見直しや生活習慣の改善を行い、腎臓をいたわる生活を心がけましょう。 
また、腎臓の機能は加齢とともに低下していくため、現在CKDのリスクがない人にも充分注意が必要です。
CKDを悪化させないための日常生活のポイント
  • 医師や管理栄養士の指示に従い、塩分・蛋白質・リンなどの食事制限を行う
  • 水分の過剰摂取や極端な制限を避ける
  • 過労を避け十分な睡眠や休養をとる
  • 禁煙および適正な飲酒を心がける
  • 血圧については、処方された薬をきちんと飲み、日常生活で血圧を上げないよう注意する
  • 家庭での血圧測定の習慣化が望ましい

CKDと高カリウム血症、代謝性アシドーシス

CKDでステージが進むと、腎臓の機能の低下によるカリウム(K)排泄の低下と、代謝性アシドーシス合併により、血清カリウム値は上昇します。高カリウム血症は致死的な不整脈から心停止に至ることもあり、最大限の注意が必要です。
カリウムとは?
カリウムはほとんどが細胞内に存在します。細胞外のカリウム濃度は全体としてはわずかではありますが、極めて重要な役割があり、神経伝達や筋肉収縮に関与しています。体内に取り込まれたカリウムは主に腎臓から排泄されるため、CKDでは血清カリウム値が上昇します。
CKD患者における血清カリウム値管理の目安
日本腎臓学会編:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018, p16
高カリウム血症は大変危険です!
血清カリウム値5.5mEq/L以上を高カリウム血症といいます。カリウムは細胞の興奮に関与しているため、血清カリウムの異常によりさまざまな神経症状、筋症状を呈します。なかでも血清カリウム値が7mEq/L以上では不整脈から心停止に至ることもあり大変危険です。必ず専門医へ相談してください。
高カリウム血症の対策とは?
CKD患者では食事内容が血清カリウム値に影響をおよぼします。カリウム含有量の多い食品を控えたり、「水にさらす」「茹でこぼす」など、調理にひと工夫するようにしましょう。
生で食べる野菜は30分ほど水にさらすことで約10%のカリウム、加熱して食べる食材は茹でこぼすことで15~45%程度のカリウムを減らすことができます。
カリウム抑制薬(陽イオン交換樹脂)は、カリウムを吸着し便とともに排泄することで、血清カリウムを減少させることができますが、一方でCKDで投与される機会が多い薬物(ACE阻害薬、ARB、抗アルドステロン薬など)により、逆に高カリウム血症が誘発される場合もあります。薬剤に関しては必ず専門医に相談するようにしましょう。
  代謝性アシドーシスとは?
人体では通常尿中への水素イオン(H)排泄と呼吸による二酸化炭素(CO2)排泄により、血液中のpHは7.4程度になるよう調整されています。しかし、腎臓の機能が低下すると尿中に水素イオンが排泄できなくなり、水素イオンが蓄積して血液は酸性となります。この状態をアシドーシスといいます。GFR低下によるアシドーシスにはさまざまな要因があり、主に食事由来の酸であったり、腎障害などがあげられます。アシドーシスの状態になると、細胞はバランスをとるために水素イオンを細胞内に取り込み、代わりにカリウムを細胞外に放出します。このことが結果的に高カリウム血症を来たすことになるのです。血清カリウム値の異常がある場合、アシドーシスの確認が必要となります。

Last Updated:2019/09/12  PP-FOS-JP-0298-17-06